学力低下への挑戦

岐阜の学習塾「志道館学園」の教師を務めて早ウン十年。最近目立つの子供たちの学習能力の低下を何とかしたいと、日々無い知恵絞って悪戦苦闘する塾屋のひとりごとです。

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何かが足らん

俺には何かが足らん。

何が足らんか解っちゃいるけど、

足らんのだ。

腹立つぐらいに足らんのだ。

俺が人のために何を成し遂げたというのだ。

何も成し遂げてはいない。

ただ誰かのために、

己を捨てて、家族を蔑ろにして、

一生懸命になって、

ただそれだけだ。

もっと強い龍にならなければならん。

もっと泥臭くいかなあかん。

でも、ずる賢く生きるなんて、まっぴら御免だ。

ただ走るのみ。
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今生の別れ⑥

家族で最後のお別れをしに行く時、
不思議なことがあった。
廊下で目が遭ったマスク姿の男性。
よく見ると、昔一世風靡した漫才師の方だった。
マスクをしていたが、その目、その声は間違いなく
その人だった。
こんな時に出会うなんて、やはり今日は特別な
日なのであろう。
そして、間違いなく祖母は自分の人生に幕引きを
したと思う。

祖母は自分が他界した後は、葬儀も行わず、
大学病院へ献体になる手続きを取っている。
岐阜と神奈川の距離では臨終の時に会えそうもないが、
それは互いに覚悟している。
実弟には早めに会いに行けと電話で話した。
実妹は子供がインフルエンザにかかったらしく、
会いには行けそうもない。
それも本人が了解済み。

帰り道、子供たちが後部座席で寝た後、祖母が何を
語ったのか妻に尋ねた。
妻は涙を流して話してくれた。
先日のひな人形や七五三の衣装、全て義父母に
お世話になって本当に申し訳ない等々のことだった
らしい。
浜名湖を通過する頃、一通のメールが入った。
中3の塾生の保護者様からだった。
懇談で担任から色々言われてショックだったらしい。
私はサービスエリアから教室に電話を入れて、
本人を励ました。

「合格するのが無理だなんて、誰にも言えないんだよ。
 ダメなら後ろを向くのか?ダメなら学ぶことを止めるのか?
 違うだろ!結局同じ方向を向いて勉強するんだろ!
 お前が今、真剣に志望校を目指していること自体が
 尊いことなんだ。凄いことなんだ。
 池田先生が言っていたじゃないか。ただただ基本を積み上げて
 いくんだ。
 やってやれないことなんか、この世の中にないんだ。」

私はどうしても彼と話したかった。
本当は会いたかったが、それでもいつも以上に強く話した。
祖母に背を向けて私は岐阜に走った。
私には私の日常がある。
私には愛すべき塾生たちが待っている。
祖母はわかってくれているに違いない。

(終わり) 
 
後書き
最初にお断りしましたが、この記事は2009年11月に書き上げたものです。
この後、祖母はまたまた奇跡的に持ち直し、退院し、101歳まで天寿を
全うしました。
身内と遠く離れて暮らしている以上、このようなことは避けては通れません。
また塾屋に限らず、己の仕事に命をかけている方は、
このような状況でも仕事(塾屋ならばお預かりしている子どもたちのことを)
を優先するのではないでしょうか。
現在同じような境遇の、ある男へ向けてエールのつもりで公開しました。

今生の別れ⑤

全てを話し終えた祖母は安心したのか、
もう思い残すことはないと言った。

妻にも話があると聞いていたので、
私は退席させた家族の元へ戻って、
今度は妻をひとり祖母の元へ行かせた。
つらい想いをさせるのは解っていたが、
祖母のリクエストを聞き入れてやりたかった。
後に残った私は待合室で子守。
幼い長男はわけも解らず、窓の外を眺めているが、
さすがに娘は色々と察したらしく神妙な面持ちでいた。

しばらくして妻は涙を浮かべて戻ってきた。
もう岐阜へ戻らなければならない。
最後に家族全員で祖母の元へ行った。

心残りだったことを全て私に託し、祖母は安心した
のか、「みんなを見守っているからね。」と言った。
自分がもう長くないことを悟ったような顔をしている。
私は、実弟が数日中に来るからしっかりせよと
言うのが精一杯だった。
手を強く握り続けていると、
「未練が残るからもう行きなさい。」と少し涙を浮かべて諭し、
最後に強く、本当に強く「さよなら。」と言い放った。
マスク姿の妻も娘も泣いていた。

私は明日の家族のことを考え、心の中で堪えて後ろを向き、
未練を断ち切ってその場を去った。

祖母は何と強いのだろう。
やっぱり只者ではない。
私は後のことを医者と打ち合わせをして岐阜に出発した。

(つづく)





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プロフィール

みけせんせい(美川圭介)

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岐阜県在住。お仕事は塾の講師と理科実験のパフォーマーなど。一家はよくできた嫁と、かわいい娘、息子たちの5人家族です。

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