学力低下への挑戦

岐阜の学習塾「志道館学園」の教師を務めて早ウン十年。最近目立つの子供たちの学習能力の低下を何とかしたいと、日々無い知恵絞って悪戦苦闘する塾屋のひとりごとです。

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厳しさという甘やかし

「甘やかし」
辞書で調べてみると、
「(子供などを)きびしくしつけないでわがままな行動を許すこと」と書いてある。
こんな時代なんだから、我が子が強く生きていけるように
厳しく育てたいと思われる保護者さんはたくさんお見えになるだろう。
ところが逆に手をかけすぎて、かえって“子どもへの甘やかし”になることも
あるということを知って頂きたい。

先生、親、先輩、先人、年長者が“教える”という行為は、
年少者、子どもがそれを受け入れる状態、“学ぼうとする状態”に
なっているからこそ成立する。
それは「学びたい」という表面上の意志ではなくもっと深い。
耳で聴く、目で見る、あるいは書く等の実体験で、記憶として脳に
格納されること。
教える側は、相手の脳に格納されているはずであろう“教えたこと”を
それぞれの状況で引っ張り出してきて活かして欲しいという願望があるから
こそ教えるのである。

この記憶するという格納行為が今、子どもたちの間で極端に脆弱になってきている。
断っておくが、
暗記が苦手という現象は「ゆとり教育」がスタートしてからすでに現れていて、
今更驚くことではない。
・無駄を削って学習内容を最小限にスリム化しろ。
・子どもたちに体験に基づいた学びを。
・バーチャルな視覚効果を使ったらどうか。等々、時代の変遷、技術の進化と共に
新たな学びの手法が検討されてきた。
ところが、子どもたちの学習能力は下がる一方。

現在の感触をそのまま表現すると、
いくら記憶力が落ちたからといっても、以前だったら覚えていたであろう事項すら
残りにくくなってきている気配がある。
例えば仮に本人が覚える意志が無くても、自然に頭に残りそうな印象的な場面、
出来事、言葉レベルすら記憶から飛んでしまうことがある。
これは人が人から物事を教わるという基本がすでに崩れてきていることを物語っている。
授業中、生徒の誰かに妨害者がいて、学級崩壊しているレベルの話どころではない。
普通に落ち着いた環境でも、教師が伝えようとしていることが伝わらない状態だ。

さて話を元に戻そう。
そのような状態の子どもたちに物事を教えたらどうなるか。
記憶の積み重ねが出来ていないから、一挙手一投足すべてを指導者に頼ることになる。
本来はプロセスを身につけるのが大切なのだが、教える側はそれに耐えきれなくなって、
“答えそのもの”を伝えてしまう。
別に子どもたちもさぼろうとか、楽をしようとかずる賢いことを考えているのではなく、
それが学ぶことだとある種、脳内レベルで意識づけられ習慣化している感がある。

厳しさが甘やかしになるというのは、手取り足取り全て教える指導者の熱心さがかえって
仇になるという意味である。
「俺が右を向けと言ったら、必ず右を向け!」
強権を発して指導者が言ったことを子どもたちが覚えてくれたなら意味もあるが、
そこまでしても、その場限りになってしまうケースが急激に増えてきた。
各種スポーツ界で体罰問題がクローズアップされているのは、子どもたちを強くしたい
という指導者の熱意の裏に、実は“教えたことが上手く伝わらない”というもどかしさが
あるのではないかと思う。
べったり厳しく教えられるからこそ何も考える必要がない。その場で今、言われた瞬間の
ことだけを忠実に守れば良い。結局本人には何も残らない…。
それが現状である。
集団授業についていけない子に対して、個別指導塾に通わせてみたり、保護者さん
自らが指導に乗り出すことがあるが結構その状況に陥りやすい。
その点を重重承知して子どもと対峙して頂きたい。

私は、指導者が厳しかろうが、優しかろうが、そんなことは関係ないと思う。
ただ焦点は“やるのは子ども自身、考えるのは本人”ということ。
指導する側は子どもの内面から記憶を引き出し、考えさせることに重点を
置かなければならない。それは非常に忍耐のいることなのである。
私が、今の子に教えるのは難しい(経験が必要)とよく言うのはそのことである。
厳しくとも、わかりやすくとも、子どもにとって“至れり尽くせり”では
その子のためにはならないのである。
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